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チェロ・コントラバスのページ

チェロのエンドピンご購入者の感想のページ
  文字サイズは中でご覧ください。

ご感想をお寄せ下さった方々にはこの場をお借りしてお礼申しあげます

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★チェロ・コントラバスの
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・・・少し間がありますが続きます。

 

私はいい年をしてチェロを始めて6年になります。楽器はドイツ製の大量生産品です。
3年ぐらい前に、見附さんのサイトを発見してチタン・真鍮のハイブリッド、タングステン・真鍮の
ハイブリッド、カーボンの3種類を購入して使っていましたが、今回、タングステン・チタン・真鍮の
三重構造による「トリプル★ブリランテ」が新しく出たことを知り、購入しました。
以下はこの4種類のエンドピンの感想です。

 

○タングステン・チタン・真鍮の「トリプル★ブリランテ」

購入前からある程度予想していましたが、真鍮の柔らかい響きをベースに、チタンの伸びのある
輝かしい高音と、タングステンの引き締まった存在感ある低音は、まさに予想どおりです。
中音域も朗々として、音量的にも最高に出ていると思います。それぞれの素材のいいとこ取りを
したような結果となっていることに、とても満足しました。

 

弾くときの注意点としては、低音に「芯」があるため、しっかり弓毛をかませて鳴らす必要があり
ますが、そのことで逆にゴリッとならないようにも気をつける必要があると思います。
これは慣れの問題もありますが。

 

○チタン・真鍮のハイブリッド

高音域については上記「トリプル★ブリランテ」と同じでとても魅力的です。中音以下は、真鍮の
個性が出て広がりのある柔らかい印象になります。この点では「トリプル★ブリランテ」より楽に
弾けます。しかし、反面物足りないという評価も伴います。雰囲気重視の場合はより適性がある
かもしれません。曲目によって弾き分けるのも面白いと思います。

 

○タングステン・真鍮のハイブリッド

低音の力強さは「トリプル★ブリランテ」と同等ですが、高音の伸びはそれほどでもありません。
このため、全体に重心が低いバランスとなります。あと、中音域でも音が太くなります。
かなり個性的な音色となるので、好みの差が大きいでしょう。音量的にはチタン・真鍮のハイブリッド
より出ていると思います。
ただ今回、「トリプル★ブリランテ」が出たことで、ちょっと存在感が薄まったように思います。

 

○カーボン

くせのない、すっきりした音です。おそらくこれが「素」の音なんだろうと思います。
金属製のエンドピンの後にカーボンを試すと、これらがいかに響きの効果があるか、逆によく解ります。
演奏会などでのアピール性には乏しいでしょうが、残響過多のような条件では使いやすいかも
しれません。ボウイングなどの技術面が音に直結するので、私はふだんの練習用に使っています。
正直いって、初めのうちはカーボンではきれいに弾けませんでした。
この点では、金属製のものは、ある程度響きでごまかせてしまうところがあると思います。

 

あと、見逃せないのはその軽さです。あまり軽いので、なにかの拍子に折れてしまうのでは
なかろうかと不安に感じるぐらいですが、実用上はまったく問題なく、チェロを抱えての移動の
際に素晴らしい効果を発揮します。





神奈川県 I さん プロ 

≪トリプル・ブリランテ/タングステン+チタン+真鍮・先端までタングステン≫
≪チタン入り真鍮・先端真鍮≫ ≪タングステン入り真鍮≫
 
今までタングステンのエンドピンを使用していました。音の粒がはっきりして
 
いるのと弦の抵抗が強いため思い切り弾ける点は気に入っていましたが、
 
自分の楽器との相性かもしれませんが、A線が詰まった感じになるのがどうにも
 
気になり、調整でも解消されなかったので、楽器の癖だろうと諦めていました。しかし

チタン+真鋳のエンドピンにしたら全く音の詰まりは解消し、驚きました。低弦でも

詰まった感じはなくなり、楽器本来の自然な響きをそのまま増幅したような印象

の豊かな響きです。しかしタングステンにしかない利点もあり、特に低弦で力強い

鳴り方をする点は捨てがたい魅力です。近代以降の作品などで、緊迫感のある 

表現や持続した音を出す時、チタンだと少し上品過ぎるかな?と感じる場面もあ

るかもしれません。逆にクラシカルな作品なら、チタンのほうが楽に弾ける分

表現にゆとりが出来そうにも思います。タングステンも、単品の時より

真鋳+タングステンのほうが、単品の時の「ダイレクトな音の塊!」のような点は

かなり改善されました。しかし(私の楽器の持っている癖のためと思われますが)

A線の音の詰まりまで改善するには残念ながら至りませんでした。

そこで新製品のブリランテを試してみたところ、それぞれの長所は少しずつ控え

めになるものの、両者の特徴を共有しているため、私の楽器には一番よい落とし

どころなのかな?という結論になりました。
 
 
ホールで試してみました。

どの音域も、とてもよく響き、一音弾いた後に聴こえる残響は、十二分に納得

のいくものでした。タングステン+真鋳やチタン+真鋳は、それぞれに魅力ある

特色がありますが、楽音に含まれる一部の倍音のみを増幅しているような印象

です。ただ、好みの音色、自分らしい音が出しやすいエンドピンは?という観点

から聴き比べると一概にどれが良いとは言えず、人によって好みが分かれると

思います。楽音が、ただの物理現象でなく、人の感性を相手にしている以上、

そこは本当に難しい問題ですね。

 昔、何かの本で読んだのですが、映画のターザンの声は何種類かの人の声を

合成して作った音なんだそうです。「カストラート」という映画のカストラート(幼少期

に美しい声をしていた男性を去勢し、成人しても高い声を出せた歌手)の声も、

男性と女性の歌声を混ぜ合わせて作ったんだとか。他のエンドピンを試した後、

ブリランテを使ってみると、どの音域も抜け目がないというか、いろんな要素の

倍音が混じっているような気がしました。ずっと使ってきたタングステンのみの

エンドピンは例えるなら・・・ブルーマウンテンのみのコーヒーでしょうか。それだって

十分魅力的ではありますが、他とのブレンドによって更に深みが増した状態、

ブリランテはそんな印象ですね。あと、ダイナミックスのレンジの幅がいつもより

広がったように感じました。タングステンのみの頃にいつも感じていた、弱音の時

若干、レスポンスが悪いような感じもなくなりました。
 
結局、今回はブリランテのみを購入させていただこうという結論になりました。
 
あれこれ試すのも楽しいのですが、しばらくじっくりと腰を据えて、このエンドピンと
 
付き合ってみたいので。正直、 エンドピンだけで、こんなに楽器の印象が変わるとは
 
思っていませんでした。
 



★愛知  Fさん     アマチュア
  ≪カーボン(先端・チタン) カーボン入り真鍮 カーボン入りチタン
      鉄入り真鍮・先まで鉄   チタン入り真鍮≫

私は、アマチュアのチェリスト兼ベーシストです。アマオケでのコントラバス、
弦楽合奏と室内楽でのチェロで余暇を過ごしています。

 KBの「カーボン入り真鍮」を購入した機会に、VC5種類の「お試し」を
させていただきました。使用
VC は、新作イタリアン(ピストーニ1988)で明
るくパワーのある点が気に入っています。多少エイジングが進み粗さは取れて
きたところですがオールド楽器の「シルバートーン」までには今後の期待とい
うところで、オケではともかく室内楽での生々しい音が気になっていました。
現在のエンドピンはスチールですので、ホームページの製品プロファイルで
見て「カーボン系」を中心に試させていただきました。

全体として、見附さんホームページの製品プロファイルの表現は的確でした。
ここでは、私の楽器との相性と使用目的による感想を記します。

@        カーボン:期待通り、従来の金属質に対する木質系の柔らかい音で、
シルバートーンに近づく感じになります。
音の表面はからっとして、雨季にはいいかもしれません。
また、重量がたいそう軽いという大きなメリットもあります。

A        カーボン入り真鍮:「カーボン」の特性をベースに、音の表面に
しっとり感があります。
高音域(
A線の弦長の半分以下)での輝きが従来よりやや減りますが、
弦楽合奏や室内楽には最適と感じました。

B        カーボン入りチタン:どの音域でも「かりかり」とよく鳴り、
物理的なパフォーマンスが最高という印象ですし、両手への負担も大きく
ありません。機能追及の一本として選ぶかもしれません。
以上、「カーボン系」の
3本は、それぞれの違いが明瞭に現れました。

C        チタン入り真鍮:チタンのかりかり感にしっとり感が加わる
感じでしょうか。

D        鉄入り真鍮・先端まで鉄:同様に、現在使用のスチールに
対してしっとり感が加わる感じでしょうか。「金属系」C、Dの狙いは、
素材の質量と剛性の違いが反映して広い場所での音の伸びや質感が
どう変わるのかであろうと思います。今回は広い場所での効果を
試すに至らず、狭い自室では使用中のスチールを加えた
3本の違いが
よく区別できませんでした。

 今回は結果的に、当初考えていた「カーボン」に代えて
 「カーボン入り真鍮」を選び、現在のスチールと併用していきたいと
  思っています。

サラリーマンの小遣い程度で音の浮気ができるのは、ちょっとした
楽しみです。




★神奈川県  Hさん   作曲家  チェロ指導者                        
  ≪ カーボン(先端真鍮) ・ チタン ・ チタン入り真鍮(先端チタン・真鍮) 
    鉄入り真鍮(先端まで鉄)≫  

試奏は、Wurtzburg/ドイツの普及品、Corsini/1987年イタリアで
総合的にしましたが、異なった感想の場合はコメントしています。

 なお、全部同一曲、Wur.はショスタコヴィッチソナタ
  Cor.はカバレフスキー協奏曲で時間をかけ試奏しました。


・カーボン/
楽器の持っている本質が素直に出てくる感じ、
わかりやすく言えば、持っていない質や量は出てこない感じ、多大期待は禁物。
具体的には、丸みのある音、慣れると好ましい音、が実感、
バロックや古典のものには向いていよう。
芯のある力強さを表現するなら、いいボーイングが絶対必要、
いいかげんなボーイングは時に中低音など、いわゆるハスキーボイスになろう。
Cor.はまろやかによく表現された。

・チタン/
バランス、ヴォリューム感も上々、全体的には締まった音という感じ、
少々の弓の弾き損じも全く気にならないほど鳴ってくれるようだ。
どの楽器をも水準以上で鳴らしてくれそうだ。
その一方で、この金属の特性か…、(ウルフとは違う性格で)
少し詰まるような感じの瞬間があったりする。
しかし、全体の印象としては水準がかなり高く、
楽器により、後述のハイブリッド以上に弾きやすく、よく鳴るかも…。

・チタン入り真鍮(チタン先)/
ヴォリュームがあり、高中低音のバランスも良い。
音の伸びも充分感じられる。
個人的には、もう一歩の力強さ、透明感のようなものが欲しい気がする。
Cor.との相性はかなりいいようだ。

・チタン入り真鍮(真鍮先)/
全体的にはヴォリューム感がもう少し欲しい。
Wur.は、音色的には少々鼻にかかった(くぐもった?)感じが中低音に感じられる
ような気がした。
Cor.は少々ハスキーな感じがするもののとても表現しやすかった。

・鉄入り真鍮/先端まで鉄
今回、最もよく鳴り気持ちよく表現できたもの、特に中高音の伸びが素晴らしい。
低音も明るくよく鳴るし、バランスもとてもよい。
力強さ、歌う…など、楽なボーイングで楽器が十二分に鳴ってくれるという意味で
お奨めできるものの筆頭かもしれない。
ただしC0r.ではある程度以上の音は十分、で止まり、十二分まで行かない感じ、
Wur.の圧倒さは見られなかった。
PfとのDuo等には特に向いていようが、古い独奏曲、オケ、室内楽では注意、
奏者が、おとなしくやってくれるよう調教できるか…である。
もうひとつ、調子に乗る音(量…)自慢さんは要注意、
良く鳴る(?)薄手の華奢な楽器を弾く場合後々、楽器の傷みも懸念。

以上、自宅14畳の音楽室、固有の楽器を基にしての個人的感想である。

今回、見附氏のご配慮で大阪に行かずに試奏が出来、感謝している。
エンドピンはこれまで、カーボンの軽さに興味があっただけだったが
今回5種試奏で、楽器、弓、弦…の影響に迫る音の重要素!実感、
今回、この中の3本ともう1本購入することにした。
これから、勿論、自身のTPOでの使い分けも含め、
上級生徒達のこの部分にも、機会を見て目を向けて行きたい。

貴社のご研究のますますの発展を期待しております。